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 米中西部、アイオワ州ジェファーソン。街を出れば見渡す限りの畑が広がる。人口4千人余りの田舎町で、19世紀に建てられた古びたビルに入ると、洗練されたデザインの空間で人々がリボンカットの瞬間を待っていた。9月7日、IT企業ピラー・テクノロジーが「鍛冶(かじ)場(Forge)」と名付けたオフィスを開設した。

 「『鍛冶場』の使命は、人々を集め、未来のイノベーションを起こすための潜在力を解き放つことなんです」。この事業に取り組んできたリンク・クルーガー氏(51)は、人々を案内しながらそう力説した。

IT人材を育てる「鍛冶場」とは

 「鍛冶場」では州内の11の学校区から若者を集め、4カ月間、無料でソフトウェア開発訓練を提供する。その後も6カ月間、「見習い」として給料を払い、ソフトウェア開発の実務に携わってもらう計画だ。

 隣の映画館で若者を招いた説明会も開かれた。近くに住む高校3年生のブライト・シュミットさんは帰りがけに、「コンピューターが大好きで、もっとたくさん学びたい。この田舎で、ふるさとを離れずにそれが可能になるとしたらとてもいい」と話した。事業に賛同する米農業大手コルテバ・アグリサイエンスなどがコミュニティーカレッジに奨学金を提供し、「鍛冶場」の卒業生からのインターン採用も検討している。

 クルーガー氏はアイオワ州生まれだが、ジェファーソンのことは数年前まで、名前すら知らなかった。田舎に若者向けのIT教育をする拠点をつくりたい――。そんなアイデアを4年前、知人のクリス・ディール氏(34)に話した際、彼の故郷の街、ジェファーソンを紹介された。

 ディール氏はアイオワ州立大学などで工学を学んだ後、州外の貧困地域で数学や科学を教える仕事に就いていたが、2011年にアイオワ州に戻ってきた。IT人材は西海岸のシリコンバレーや、大学・研究機関が集まる東海岸のボストンなどに集中してきた。ディール氏は「我々は何十年も『両岸』に人材を輸出し続けてきた。今後は人材の訓練をここで続け、ずっと残ってもらえるようにすればいいと考えた」と話す。

「シリコンバレー一強」の終わり?

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