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 海のない滋賀県で、フグの養殖に挑んでいる企業がある。水槽に人工海水を循環させる方法で、寄生虫の感染や自然災害、赤潮発生などによる大量死を防げるという。フグ人気が高まっている中国の市場も狙う。(山中由睦(よしちか))

 立命館大(本部・京都市)のびわこ・くさつキャンパスの研究棟(滋賀県草津市)。トラフグの「陸上養殖」に取り組む会社アクアステージ(同市)の実験室がある。浴槽二つ分ほどの大きさの水槽の中で、トラフグが1匹泳いでいた。1年半で体長5センチから約40センチまで育った。重さも約2キロあり、出荷には十分なサイズという。

 水に粉末を溶かした人工海水を使うこの水槽で養殖するには、エサなどで汚れた水を頻繁に浄化する必要がある。循環パイプの中で水中に残った排泄(はいせつ)物やエサを砕き、別の装置でバクテリアが浄化。その水が水槽に戻る仕組みだ。同社役員の細井雅史さん(48)は「水は1年半前から替えてません」と胸を張る。

平等院鳳凰堂の池もきれいに

 細井さんらは、各地の親水公園で使える水の浄化システムを開発。5年前に平等院鳳凰堂(京都府宇治市)の池の水質改善に成功し、放し飼いのコイの病気も治った。養殖にこの技術を転用した。

 「せっかくなら高級魚を」と思い立ち、3年前からトラフグの養殖に乗り出した。今年に入り、大津市内に養殖場を造った。殺菌された稚魚を買い、60個の水槽で1万匹近くを育てている。

 浄化装置のお陰で、水道代は機材の清掃などに使う分だけ。月1、2万円で済む。エサやりもスマートフォンで遠隔操作できるため、人件費も抑えられる。コストは、水の入れ替えが必要な一般的な陸上養殖に比べ3分の1程度という。

 気になる味だが、細井さんによると、海上養殖に比べて与えるエサや水温が一定しており、雑味が少ないという。来年の出荷を目指している。販売価格は、養殖フグの市場での取引価格と同じで、1匹(約1キロ)あたり5千~8千円をめざす。

 今冬には同県甲賀(こうか)市…

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