【動画】スーツに見える作業着を着ながら激しい動きのダンスを披露する「かのやカンパチロウ」=鹿屋市提供
[PR]

 頭部はカンパチ、首から下はスーツ姿の半魚人。こんな異色のゆるキャラ「かのやカンパチロウ」による町おこしに、鹿児島県鹿屋(かのや)市が取り組んでいる。キレッキレのダンスを披露しながら歩く姿も「スタイリッシュ」と上々の評判。11月に首都圏であるイベントで「いきのいい姿を見せる」と意気込む。

 桜島を望み、錦江湾に面する鹿屋市は、カンパチの養殖業が盛んだ。かのやカンパチロウは元々地元漁協のキャラクターだったが、2017年4月、町おこしの目玉にしようと「カンパチを特産品に」と考えた市に「移籍」。市のふるさとPR課の特命係長になった。対外的な業務が多いことからスーツ姿だ。

 カンパチの「いきのよさ」を表現しようと、ブレークダンスやクロールの泳ぎ方を取り入れ、全身を使ったダンスを自ら考案した。市に寄せられた感想やツイッター上では「パッと見は気持ち悪いけど、踊る姿はスタイリッシュ」「ダンスがキレッキレ」と好印象の反応が多い。

 頭を悩ませたのが、スーツの消耗が著しかったこと。激しいダンスゆえ、スーツの肩部分やズボンの股が破れ、何度も買い替えた。破れにくいスーツを探し続け、都内の水道工事会社が開発した一見スーツにみえる作業着に行き着いた。特殊加工で収縮性や撥水(はっすい)性にすぐれたもので、ダンスにキレが増し、雨天でも活動しやすくなった。経費削減にも貢献した。

 現在のPR活動は月10回ほど。県内のほか、首都圏や時に海外まで足を延ばす。今年7月、東京都狛江市であったカンパチのつかみどりや解体ショーのイベントにも登場。「環8(かんぱち)」と呼ばれる環状8号線が狛江市の近くを通ることが縁で始まった恒例のイベントだ。昨秋には銀座や浅草などで、カンパチの面をかぶったPR委託会社の社員約50人の先頭に立って行進した。

 11月も多忙だ。16、17の両日は横浜市で全国の特産品が集まる催しに、23、24の両日は埼玉県羽生市で国内外のご当地キャラクターが集まるイベントに、それぞれ姿を現す。

 一体、かのやカンパチロウの正体は誰なのか。体操経験者の市職員か。市の担当者は「人間でなく、半魚人です。お間違えないように。とにかく一度、ご覧ください」とPRする。(稲野慎)