暴言・叱責・けが放置… 認定された湘南監督のパワハラ
J1湘南の曺貴裁監督によるパワーハラスメント問題について、Jリーグの調査チームが報告書で認定した主な事案は次の通り。
【選手に対して】
2018年4月ごろ、本拠での公式戦のハーフタイム中、ロッカールームで「(お前は)チームの癌だ。他に移るから出ていけ」などと怒鳴った。当該選手が出ていかなかったところ、さらに「出ていけ」と2、3回怒鳴ったため、当該選手は出ていった。
18年夏ごろ、練習中だった複数の選手に「(練習から)出ろ」と発言。当該選手らが監督と話をしに行ったところ、「お前はもうあきらめている」などと言われた。当該選手らの一部は、一定期間練習や試合に参加できない精神状態になり、「オーバートレーニング症候群」と医師に診断された。
19年6月末ごろ、選手に映像を見せながら「このプレーは何だ」「一生懸命やってないじゃないか。入団当初はそんなことしていなかったぞ。こういうプレーを今後も続けるなら練習しないほうがいい」「こういうプレーをする選手は湘南の選手ではない。こういうプレーをするなら他のチームに行ってしろ」などと発言したあと、机をけり、サッカー雑誌を当該選手の方に投げつけた。雑誌は選手の顔の横を通過し、後ろの壁に当たった。
19年7月の福島キャンプでの練習中、足に違和感を覚えた選手に近寄った医療スタッフに「ほっとけ」「自分で考えさせろ」などと叫んだため、スタッフは選手の状態を確認できず、選手がその後も練習を続けたところ、直後に全治8カ月のけがをした。
【スタッフへの言動】
16年夏ごろ、スタッフルームでウォーミングアップ担当コーチにアップの実演をさせ、他のスタッフらが見ている前で「そんなんで選手が動くのか」などと言って自らコーチ役となり、同コーチに選手役をさせたうえで、胸ぐらをつかんで壁に勢いよく押し当て「なんで(アップを)やんないんだ」などと怒鳴りながら、同コーチの顔に手を当てて床に押し倒した。
19年7月の福島キャンプでの練習中に、ボール拾いや水分補給の仕事をしていたスタッフらに対して「本当に使えねえな」「お前ら何年やってんだ」「お前らは遊んでいる。遊ぶんだったら外にいろ」などと怒鳴った。さらに、当該スタッフらのうち一人に対して「二度と顔を見せるな」「お前の代わりはいくらでもいる」「(お前は)ここにいる意味が無い」などと叱責(しっせき)した。
19年7月下旬ごろ、クラブハウスでミーティングに加わろうとしたスタッフ一人に対して「おい、お前。出てっていいわ、部屋から」「お前ミーティングやんなくていい。来なくていいわ」「あっちで戻って勝手に映像でも見てろ」などと発言した。
19年、医療スタッフから自らの意にそわない見解を述べたれたり、報告を受けたりしたときなどに「メディカル全員替えてもいいんだぞ」「うちのメディカルじゃなくて他で治せばいい」「お前ムカつくんだよ」「お前の報告は暗いんだよ」などと発言した。
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