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 10月末に期限が迫る英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、英国のジョンソン首相の離脱方針が19日までに英議会に承認されなければ、英政府がEUに離脱の延期を要請する方針であることが分かった。離脱に関する訴訟で、英政府が裁判所に提出した文書にそうした内容が記されていたと、ロイター通信などが4日報じた。

 ジョンソン氏は、EUとの合意の有無にかかわらず10月末での離脱を公言してきたが、初めて延期に含みを持たせたことになる。

 延期の方針を記した文書は、英北部スコットランドの裁判所に政府が出した。この訴訟で原告側は、ジョンソン氏に離脱延期法を守らせることを求めた。

 9月に成立した同法は、離脱条件を定めたEUとの離脱協定案が10月19日までに議会で承認されなければ、来年1月末までの離脱延期を政府がEUに要請するよう義務づけている。

 政府が裁判所に出した文書には「首相は法律に従う」という趣旨の記述があるという。

 ただ、ジョンソン氏は4日、「新たに合意するか。合意しないかだ。延期はない」とツイッターに投稿し、改めて10月末での離脱にこだわる姿勢を示した。

 英メディアでは、ジョンソン氏が法律に従って形ばかりの延期要請はするが、同時に「延期は望まない」とする別の書簡をEU側に送る可能性も取り沙汰されている。ジョンソン氏は2日に新たな離脱条件案を示したが、EU側が受け入れるかどうかは不透明。また、英国が延期を要請しても、決定にはEU加盟国すべての了承が必要とされ、難航が予想される。(ロンドン=其山史晃)