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(5日、ラグビーワールドカップ 日本38-19サモア)

 後半終了間際。日本がゴール前で自ボールスクラムを得た。ぐいと押す。そこを起点に左へ展開。最後は松島が左隅に飛び込んだ。

 ボーナスポイント(BP)を呼び込むチーム四つ目のトライに、スタジアムは地鳴りのような大歓声に包まれた。ゲーム主将のラブスカフニは「苦戦したが最後にBPを得られた。結果には満足している。最後の数分間は声援が引っ張ってくれた」と語った。

 この一連の場面。BPへの執念がプレーに詰まっていた。

 日本はゴール前左のラインアウトからのモールを押しきれず、相手ボールに。自陣ゴールラインを背負い、敗戦が決定的なサモアもスクラムを押し、攻めようとした。トライを取れば7点差の敗戦でBP1を取れ、決勝トーナメント進出に望みをつなげる。

 そこで日本FWは8人が一枚岩にまとまり、相手反則を誘った。最後につかんだ絶好のチャンス。自ボールスクラムを得て、トライにつなげた。

 前回W杯。サモアに勝ったが、トライ数は2にとどまった。BPを狙いたいバックスと、疲労から手堅い攻めを望んだFWで意見が割れる場面もあった。当時は、チーム全体でBPを意識した戦いができる集団にはなっていなかった。

 しかし、今の日本は違う。SO田村は「どれだけベスト8に行きたいか、示せた。ずっと4トライを取ることを考えていた」と言った。BPをめざし、真っ向勝負を仕掛けた。

 結果、念願のBPを獲得。初の8強入りへ。宿敵スコットランドとの最終戦に、心理的なアドバンテージと自信を持って臨めるだろう。(能田英二)