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(5日、プロ野球CS第1ステージ 阪神8―7DeNA)

 六回を終えて6点差。誰もが敗色濃厚と思っただろう。だが、またしても阪神に「奇跡」が待っていた。

 七回。1点を返し、1死一、二塁で北條が打席へ。エスコバーの154キロを強振すると、高々と上がった打球は左翼席への3ランに。「みんなのあきらめない気持ちが結果的にホームランになった」。これで2点差。でも、この一発は序章に過ぎない。

 八回も猛攻は続く。2死二塁から途中出場の木浪が「(今のチームは)勢いがついたら止まらない」と、この日2本目となる適時打を放って1点差。近本も安打でつなぎ、二盗も決めて2死二、三塁。相手の外野は前進守備をせざるを得なくなり、この盗塁が結果的に効いた。そして、またも北條だった。

 「今日は俺の日じゃないから、いってこい」。次打者の福留からこう声をかけられ、気合が入った。「もう、決めたろう」

 国吉が投じた3球目の140キロを打ち返す。打球は、中堅手の頭を越えた。逆転の2点三塁打に「みんながつないでくれたおかげで、打つことができた」。ベンチの選手、コーチ、矢野監督が総立ちで、喜びを爆発させた。

 ペナントレースを6連勝で終え、大逆転で進出したCS。試合後、感極まり、言葉を詰まらせた矢野監督は「ここに来たことは歴史的なことだとは思っていない。みんなの力、粘り、あきらめない気持ちがあったから」。この勢いは本物。一気に東京ドームへの切符をつかみにいく。(辻隆徳)

エスコバーの続投裏目

 DeNAはエスコバーの続投が裏目に出た。七回途中に4番手で登板し、2点差に迫られた。だが、八回もマウンドへ。左打者を抑えることを期待されたが、木浪、近本に安打を許し、逆転につなげられた。今季はリーグトップの74試合を投げた左腕。疲れを聞かれ「この結果をそのせいにしたくない。あえて言うなら登板間隔が空いたことは、あるかもしれない」。まだやり返すチャンスはある。