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 サイバー攻撃などによる情報流出を防ぐため、2017年度に運用開始された政府の情報システムが、使い勝手が悪いため実際の業務に全く使われていなかったことが会計検査院の調べでわかった。今年3月に廃止され、システム開発費など計約18億円が無駄になったという。

 関係者によると、システムは「セキュアゾーン」と呼ばれ、省庁が持つ企業情報などを管理する目的で総務省が開発した。インターネットから遮断された環境で情報を管理するのが特徴で、職員による情報の改ざんや外部への持ち出しも防ぐため、各省庁は専用回線からそれぞれの情報を閲覧する仕組みだった。

 開発のきっかけは15年、日本年金機構がサイバー攻撃を受け、約125万件の個人情報が流出した問題だ。公的機関へのサイバー攻撃の対策強化が急務となり、総務省は同年度、システム開発費などを補正予算で計上。開発段階では厚生労働省や農林水産省が利用を希望していた。

 しかし、16年度に開発したシステムはセキュリティーを重視するあまり、データの閲覧はできるがダウンロードができない仕様だった。このため、実際の業務で資料作成などをする際は、職員がシステムのデータを再入力する必要があった。他の情報システムと連携できないなどの問題もあり、厚労、農水両省は導入を断念。17年度に運用開始された後、一度も実際の業務に使われず、検査院の指摘を受け、総務省が18年度末に廃止した。

 検査院は総務省などに「システ…

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