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 米軍がまいた枯れ葉剤は人と自然に何をもたらしたのか。それを世界に知らしめたのが、枯れたマングローブの中にたたずむ少年を捉えた1枚の写真だった。ベトナム戦争終結の翌年、写真家の中村梧郎さん(78)がベトナム最南端のカマウ省で撮ったものだ。撮影地を再訪した中村さんの旅に同行した。(カマウ=鈴木暁子)

 中村さんは1970年からベトナム戦争を取材。体の一部がつながった状態で生まれた双子、ベトちゃんドクちゃんの姿を世界に伝えるなど、枯れ葉剤の影響を受けたとみられる人々を40年以上にわたって撮影し、責任を問うてきた。

 活動の原点ともいえるカマウを中村さんが初めて訪れたのはベトナムが南北統一した76年。「森が枯れている」と聞き、この目で確かめようと思った。米軍は61~71年、密林の敵を掃討するとして推定7千数百万リットルの枯れ葉剤を散布。カマウも対象地の一つだった。

 小舟でジャングルの水路を進み、目の前に現れた光景に中村さんは息をのんだ。鳥の鳴き声すらない静寂の中、立ち枯れたマングローブが広がっていた。「汚染がひどく危険だ」と言う現地の人を制して陸に上がると、枯れ木の中に裸足の少年がいた。

 「遊んでいるだけだよ」と言う少年の姿をカメラに収めた。「化学薬品が兵器として使われたことが一目でわかる写真だった」

 中村さんは95年にカマウを再…

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