【動画】前回東京五輪の聖火台、里帰りの埼玉・川口で点火=堤恭太、林敏行撮影
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 1964年東京五輪で使われた聖火台(炬火〈きょか〉台)の点火式が6日、製作された「鋳物の街」埼玉県川口市であった。JR川口駅東口の駅前広場で、最大直径2・1メートル、重さ4トンの聖火台に火がともされると、周囲から歓声が響いた。

 川口は、鋳物産業が発達し、キューポラ(鉄の溶解炉)の街として知られた。吉永小百合主演の1962年の映画「キューポラのある街」の舞台だ。

 聖火台の製作は、この川口の鋳物の名工、鈴木萬之助・文吾さん親子(ともに故人)が引き受けた。

 聖火台は製作途中で壊れ、萬之助さんは失意のまま倒れて1週間後に亡くなった。文吾さんが遺志を継ぎ、兄弟や市内の職人らが力を合わせて完成させた。

 聖火台は旧国立競技場に設置されていたが、解体に伴い、2015年から東日本大震災の被災地である宮城県石巻市や福島県を巡回していた。今月3日に川口に「里帰り」した。

 文吾さんの末弟で製作を手伝った昭重さん(84)は6日、「聖火台にはオヤジや兄貴たち(の魂)が入っている」と聖火台に手を合わせ、点火を見守った。

 点火は6日のみ。聖火台は来年3月まで川口で展示された後、新国立競技場の東側ゲート正面に移される。(堤恭太)