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 シリア内戦をめぐり、少数民族クルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)を支援するために駐留していた米軍部隊がシリア北部国境地域からの撤退を始めた。トルコのエルドアン大統領が7日に明らかにし、トランプ米大統領も、「我々の兵士が祖国に帰るときだ」とした。米ホワイトハウスは前日の6日には、YPGを敵視するトルコの越境軍事作戦の計画について、「関与しない」との声明を発表。米軍が共闘してきたクルド人勢力を見捨てることになる上、地域の緊張をさらに高めかねない。

 トランプ氏は7日、撤退規模には触れず、「ばかげた終わりの見えない戦争から抜け出す時だ」と強調した。アナトリア通信によると、これに先立ってエルドアン氏が首都アンカラで記者団に、「米軍部隊は撤退を始めた」と明言。一方、YPGを中心とするクルド人勢力は、「米軍は責任を果たすことなく、トルコとの国境地帯から撤退している」と失望感をにじませた。

 トルコは、YPGが自国内で分離独立を目指す非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)と一体のテロ組織と認定。エルドアン氏はたびたび、YPGが支配するユーフラテス川の東側地域への越境軍事作戦の可能性に言及してきた。ただ、8月には米国との間で、シリア北部に「安全地帯」の設置を目指すことで合意するなど事態は小康状態にあった。

 トランプ氏とエルドアン氏は6日に電話会談。その直後にホワイトハウスが、「トルコが長く計画してきたシリア北部での作戦を間もなく進める。米軍は作戦に支援も関わりもしないし、その地域にいることもない」との声明を発表し、トルコの作戦には関知しない姿勢を示した。

 米国の声明は、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦で米軍に代わって地上戦の中心的な役割を担ってきたYPGの切り捨てに等しい。トランプ氏は7日、「クルドは我々とともに戦ってきたが、膨大な資金と装備を受け取った。私が何十年も続く(クルドと)トルコとの戦いを止めてきたのだ」と突き放した。

 YPGを中心とするクルド人勢力は早速、米国と敵対するシリアのアサド政権と共闘する姿勢も見せ始めた。「(YPGが支配してきた北部の要衝)マンビジュに政権軍が進軍する準備をしている」とツイートし、トルコ軍に対抗する構えを見せた。トルコとYPGにアサド政権軍も巻き込んだ衝突に発展する可能性がある。

 今後の焦点は、米国がシリア駐…

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