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 東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)が両親の虐待の末に死亡した事件の裁判員裁判で、東京地裁は15日、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた父親の雄大被告(34)に懲役13年(求刑・懲役18年)の判決を言い渡した。守下実裁判長は虐待について「しつけという観点からかけ離れ、感情に任せて行われた理不尽なものだった」と述べた。

 雄大被告は母親の優里(ゆり)被告(27)とともに昨年1月下旬から結愛ちゃんの食事を制限し、2月下旬には嘔吐(おうと)を繰り返すほど衰弱したのに病院に連れて行かず、3月2日に敗血症で死なせたとして起訴された。2月下旬に結愛ちゃんの顔面を複数回殴る傷害、自宅で乾燥大麻2・4グラムを持っていたとする大麻取締法違反の罪にも問われていた。

 公判で検察側は、結愛ちゃんの死亡時の体重は12・2キロと同年代の平均より約6キロ軽く、食事制限は1カ月余りで4キロ以上減らす激しいものだったと指摘。連日の説教で優里被告も共犯に引き込んで結愛ちゃんの逃げ場を奪って「いじめ抜いた」とし、殺人罪にも匹敵する量刑を求めた。

 一方で弁護側は、雄大被告の虐待は許されないとしつつ、2016年に優里被告と結婚して結愛ちゃんと養子縁組してから「父親になろう」と苦心したのは事実だと指摘。連れ子が邪魔になったという短絡的な動機ではなかったと反論した。

 また保護責任者遺棄致死罪を問う上で重要なのは、命の危険に気づいてから死亡までの放置の状況で、虐待を重く見すぎてはいけないと主張。危険を認識したのは死亡の前日で、自ら119番通報もしているとし、死に至るまで放置する「最も重い部類」に属するものではなく懲役9年が相当と述べていた。

 優里被告の公判は先行して開かれ、東京地裁は先月17日、虐待の背景に雄大被告の心理的DV(家庭内暴力)の影響があったと認めつつ、「夫の暴行を結果的に容認した」として懲役8年の判決を言い渡した。優里被告は控訴している。