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 今年のノーベル医学生理学賞は、米国のウィリアム・ケーリン氏(61)、英国のピーター・ラトクリフ氏(65)、米国のグレッグ・セメンザ氏(63)に贈られる。3氏は動物の生存に欠かせない酸素が不足した際、細胞がいかに検知・応答しているかを明らかにした。

 セメンザ氏が見つけた、センサー役の「低酸素誘導因子」(HIF)というたんぱく質は、普段は作られては壊されている。低酸素の時は壊すプロセスが止まる。HIFの作用で、赤血球を増やすエリスロポエチンを作る遺伝子が働き、酸素を確保する。このメカニズムを2人が突きとめた。

 体への影響は幅広い。セメンザ氏との共同研究にも携わった末松誠・日本医療研究開発機構(AMED)理事長(医化学)によると、胎児では成長する脳に対して酸素が足りないのをHIFがセンサーとしてキャッチし、脳血管を増やしている。運動選手が高地トレーニングをするのも、しくみを活用して赤血球を増やすためだ。

 一部のがんでは、生き延びるためHIFを使って酸素を確保し、周囲に血管を作らせて増殖する。谷本圭司・広島大学原爆放射線医科学研究所講師は、HIFを抑制することで抗がん剤や放射線治療の効果を高めるため、様々な薬を試すなど研究に取り組む。

 HIFの分解をじゃますることで腎臓病に伴う貧血を治療しようという飲み薬が今年9月、国内で承認された。日本腎臓学会の柏原直樹理事長(川崎医科大副学長)は「使用はこれからだが、現場の期待感は非常に大きい」と話している。

■物理学賞は、人類の宇宙観変え…

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