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 新潟大医歯学総合病院の中田光教授らの研究チームは自己免疫性肺胞たんぱく症の新たな治療法を開発し、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に論文を発表した。全身麻酔をして肺を生理食塩水で洗う現在の治療は患者の負担が大きいが、新治療法は薬を吸入するだけで済むという。

 自己免疫性肺胞たんぱく症は肺に粘液がたまってしまい、息切れや運動しづらくなる難病。50歳代の男性に多く、国内に3300人の患者がいる。肺の中の粘液を取り除く働きを促すGM―CSFというたんぱく質が働かなくなり、粘液がたまってしまう。

 研究班が開発したのは、GM―CSFを補う治療法。患者33人を対象に24週間吸入治療をしたところ、粘液が減り肺から血液への酸素の取り込みが改善したという。中には、X線検査で肺の影が消えるなど、かなり改善した患者もいた。

 治療に使った薬は、海外では承認されているが、日本では未承認。新潟大などは2005年から薬を輸入し、これまでに約100人を治療した。中田教授は「これまでの治療は入院が必要だが、新たな治療法は働きながらでも治療を続けられる」と話す。今回は医師が主導して治験が行われた。研究チームは薬事承認を申請する企業を探している。(姫野直行)