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 スウェーデン王立科学アカデミーは8日、今年のノーベル物理学賞を、宇宙の進化について理論的に明らかにした米プリンストン大のジェームズ・ピーブルス名誉教授(84)と、太陽系の外の惑星を初めて発見したスイス・ジュネーブ大のミシェル・マイヨール名誉教授(77)、ディディエ・ケロー教授(53)の3氏に贈ると発表した。

 賞金は900万スウェーデンクローナ(約1億円)でピーブルスさんが2分の1、マイヨールさんとケローさんが4分の1ずつ分ける。授賞式は12月10日にストックホルムである。

 宇宙は138億年前にビッグバンという大爆発で誕生し、膨らみながら冷えていったとされる。誕生から38万年後になって、それまで閉じ込められていた光が飛び交えるようになった。この光の名残が、いまも宇宙に満ちている「宇宙マイクロ波背景放射」と呼ばれる電磁波だ。

 ピーブルスさんは、宇宙が誕生した直後の光の名残から、宇宙の成り立ちを理論的に読み解いた。それにより、星や私たちといった目に見える物質は宇宙の5%ほどに過ぎず、残りのほとんどはダークマターやダークエネルギーだという新たな知見につながった。

 マイヨールさんとケローさんは1995年、私たちの太陽系以外で初めてとなる惑星を、約50光年離れたペガスス座の方向に見つけた。木星のような巨大な惑星が恒星の周りを高速で回っているというこの発見はそれまでの常識を覆した。その後、これまでに4千を超える系外惑星が発見され、生命が生きられそうな惑星も見つかっている。

 スウェーデン王立科学アカデミーは3氏の発見を「私たちの世界観を永遠に変えた」とたたえた。(上田俊英)

ジェームズ・ピーブルス氏

 1935年、カナダ生まれ。62年に米プリンストン大で博士号取得後、同大教授を経て現在は名誉教授

ミシェル・マイヨール氏

 1942年、スイス生まれ。ジュネーブ大で博士号取得。同大教授、同大天文台所長などを歴任し、2007年から名誉教授

ディディエ・ケロー氏

 1966年生まれ。95年にスイス・ジュネーブ大で博士号取得。同大と英ケンブリッジ大の教授を務める