[PR]

 巨大IT企業を念頭に置いた「デジタル課税」の国際ルールを検討してきた経済協力開発機構(OECD)が9日、ルールの原案を公表した。本社などの拠点がなくても、利用者がいる「市場国」が売上高に応じて法人税を課せられるようにする内容だ。来年1月の大枠合意、来年末までの正式合意をめざす。ただ、課税権の配分の仕方をめぐって各国の対立が予想され、すんなり合意できるかは見通せない。

 新しいルールがつくられる理由は、グーグルやアマゾンなど「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる巨額の利益を稼ぎ出す国際的なIT企業に対して、利用者がいる市場国が適切に法人税を課税できていないからだ。法人税は国際的な約束で本社や支店、工場などの「物理的な拠点」がない国は課税できない。だが、巨大IT企業は必ずしも利用者がいる国に拠点をもたない。

 例えば、アマゾンは日本の消費者に動画や電子書籍を売って利益を得ても、配信拠点が海外にあるため、配信事業について日本に法人税を納めていない。

 このため原案は、こうした物理的な拠点がなくても、利用者のいる国で一定の売り上げがあれば、その国が課税できる根拠になると位置づけた。インターネット広告などは、売り上げを計上する場所がその広告を見る人がいる国とは限らないことも考慮する。

 具体的には、利益を二つに分けて課税する。利益全体のうち通常得られるとみられる「一般的な利益」には、これまで通り社屋や工場などがある国が課税する。この水準を超す部分を、ブランド力や顧客データなどの「無形資産」がもたらした「特別な利益」と位置づける。そして、各市場国が売上高の比率に応じて課税できるようにする。

 ルールの対象となる企業は、「…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら