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 トルコ軍が近く、内戦が続くシリア北部への越境攻撃に踏み切る可能性が高まっている。北部を支配する少数民族クルド人の武装組織をトルコは「テロ組織」とみており、この武装組織を支援してきた米トランプ政権も攻撃を「黙認」したためだ。トルコ軍は8日、「作戦準備は整った」との声明を発表した。

 トルコ軍は、シリア北部に隣接するトルコ南部アクチャカレなどに部隊を集めている模様だ。8日の声明では、トルコからの分離独立を狙うクルド系非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)と並んで、シリア北部のクルド人武装組織「人民防衛隊」(YPG)を「テロ組織」と名指しして、攻撃する構えを見せた。トルコは、PKKとYPGが一体だと見なしている。

 YPGはこれまで、米国主導の有志連合の支援を受けて、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦の中核を担ってきた。ところが、米国は6日、トルコ軍の対YPGの越境作戦計画に「関与しない」と表明。シリア北部に駐留していた米軍もトルコとの国境地帯から移動し、事実上の「青信号」を出していた。

 こうした状況を受け、YPGを中心とする武装組織は9日朝、「トルコ軍の攻撃が間もなく始まれば、何千人の市民の血が流れることになる」との声明を発表。「IS打倒で共に戦った国々には、この人道上の大惨事を避ける努力をしてほしい」と訴えた。

 トルコ軍の動きには、シリアのアサド政権も反発している。シリア国営通信は9日、「トルコの敵意と国境地帯での軍備増強を強く非難する」とのシリア外務省筋の声明を報じた。

 ただ、米国の対応は揺れている…

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