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 米プロバスケットボール(NBA)の人気チーム幹部が香港のデモを支持したことに伴う騒動は、中国での試合に合わせた関連イベントが中止されるなど続いている。NBAトップが8日に現地入りしたが、収束の見通しは立たない。

 NBAは中国市場を重視しており、10日に上海で、12日に深圳で、プレシーズンマッチを予定している。ところが、人気チーム「ヒューストン・ロケッツ」の幹部が4日、「自由のために戦おう」などとデモを応援するツイートをしたため、中国バスケットボール協会が6日、不当な発言だと反発していた。

 そうした中、アダム・シルバーNBAコミッショナーが8日深夜に上海入りした。もともと予定された訪問とされるが、今回の騒動を受けて関係修復に動くとみられている。

 シルバー氏は、訪中前に滞在した日本で8日に会見し、「中国の人々が気分を害しているのは残念だ」と沈静化に努める一方、「表現の自由は規制しない」と謝罪を拒否していた。

 そのため、中国側の反発は続き、上海市内に掲げられた試合広告が取り外されたり、9日に予定されたファンイベントが中止になったりと影響が出ている。

 余波は経済界にも広がっている。日産自動車の中国での合弁ブランド「東風日産」は9日、シルバー氏らの発言が不当としてNBAとの公式パートナー関係を中止するとSNSの公式サイトで発表した。中国のネットメディア・澎湃新聞によると、NBAと協力関係にある12企業がパートナーを中止するか一時停止することを決めたという。

 中国の通信社・中国新聞社は公式SNSで、ロケッツの損失額を年4億元(約60億円)と試算した。中国中央テレビは9日、「30年間培ってきたNBAの中国ビジネスは3日で破壊された。14億の中国人の民族感情を尊重しない発言は撤回し、中国のファンに謝罪すべきだ」とする論評記事をウェブサイトに掲載した。(北京=冨名腰隆)