いつもの切り身、中華風でしっとりと ブリのお皿蒸し
ごはんラボ ブリのお皿蒸し
本当はもっと魚を食べたいけれど、できるメニューが少ない。手間がかかる……。そんな理由で魚を敬遠してしまっていませんか。
寒くなるこの時期、スーパーには脂ののった魚の切り身がたくさん並びます。これから3回の「秋冬の魚」シリーズでは、魚料理の勘所を押さえつつ、レパートリーを増やすことをめざします。
まずは、ブリ。照り焼きにすることが多い切り身を、今回は中華風の蒸し魚に。脂の多い青魚を蒸すのは意外ですが、焼くよりも上手に火を通すことができ、しっとりと仕上げられます。
魚料理が難しいと感じる理由の一つは「臭み」。和らげるのは、蒸す前のひと手間です。両面に塩をまぶしてしばらく置くと、水分とともに生臭さが出ます。ネギやショウガも臭みを隠します。
フライパンに湯を沸かし、ブリを並べてふたをしたら、6分でできあがり。「魚料理が難しい」は、思い込みだったことに気がつきます。(栗田優美)
◆ブリのお皿蒸し 料理監修:吉田勝彦
【材料(2~3人前)】
□ ブリ 2切れ(250g)
□ 塩 小さじ1
□ 長ネギ 1/2本
□ ショウガ 10g
□ 砂糖 大さじ2
□ 酒 大さじ1
□ しょうゆ 大さじ4
□ ゴマ油 大さじ1
【道具】
□ 包丁とまな板
□ ふた付きのフライパン
□ フライパンに入る深めの皿
□ 菜箸・竹串
【作り方】
①ブリは半分に切り、両面に塩をまぶす。10分経ったら、水分を取る。ネギは斜め薄切りに。ショウガは皮の近くほど香りが強いため、皮をむかずに薄切りにする。
②フライパンは直径26cm前後のものを使う。皿にショウガとネギを広げ、フライパンに入れる。皿の外側に水500mlを入れ、中火にかける。沸騰したら、ブリをのせる。ふたをして6分蒸す。
③たれを作る。水大さじ2と砂糖、酒、しょうゆ、ゴマ油を混ぜ、砂糖を溶かす。子ども向けなどアルコール分が気になる場合は、電子レンジ(600W)に30秒かける。ブリに竹串を刺して、火が通っているかを確かめる。火を止めて、たれをかける。皿のまま食卓に出しても、ブリとネギ、ショウガを取り出して1人前ずつ盛りつけても。カレイ、タラなどの白身魚でもおいしくできる。
【アレンジ】
◆ブリそうめん
ブリの風味たっぷりの温かいつゆで、瀬戸内などの郷土料理「鯛(たい)そうめん」風に。「ブリのお皿蒸し」でブリ、ショウガ、ネギを皿に盛り、残ったたれを使う。鍋に湯を沸かし、そうめん1把を袋の表示通りにゆでる。ざるにあげて洗い、水を切る。たれを入れた器にそうめんをこんもりと盛る。長ネギ2cm分を小口切りにして散らす。
Cookery Science
ネギ、ショウガなどの香味野菜や香辛料は、強い香りや風味を放つことにより、魚の生臭さを覆い隠す(マスキング)効果がある。カツオのたたきにミョウガやニンニクの薄切りを、カルパッチョにハーブをのせる、などが例。しょうゆなど香りの強い調味料も臭いを抑える。(調理科学監修:香西みどり・お茶の水女子大学教授)
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