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 トルコ軍がシリア北部で展開している少数民族クルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)に対する越境軍事作戦をめぐり、トルコ国防省は9日夜(日本時間10日未明)、地上部隊の派遣に踏み切ったと発表した。派遣兵員の規模は明らかにしなかった。作戦は9日午後に始まり、空爆や砲撃が中心だったが、地上部隊が投入されたことで戦闘の拡大が懸念される。

 トルコ国防省は、今回の越境軍事作戦は「国連憲章51条に基づく自衛権の行使」であり、テロとの戦いに関連する国連安全保障理事会決議にも基づいていると説明。攻撃対象は「テロリストと関連する軍事施設、塹壕(ざんごう)、武器、車両」に限定しているとした。

 ただし、シリア内戦の反体制派NGO「シリア人権監視団」は9日夜、同日午後から続くトルコ軍の攻撃で、民間人8人を含む計15人が死亡したと発表した。

 国連安全保障理事会は10日昼(同11日未明)、欧州の理事国5カ国の要請で、今回のトルコ軍の軍事作戦について緊急会合を開く。

 トルコ政府はYPGを「テロ組織」に指定し、トルコからの分離独立をめざして武装闘争を続けるクルド人の非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)と同一組織と主張している。PKKとYPGがトルコ・シリア国境をまたぐ自治区をつくる可能性を排除することはトルコ政府の最優先課題の一つになっている。(カイロ=北川学)