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(10日、プロ野球CS第2ステージ ソフトバンク8―6西武)

 初球、145キロの直球が甘く内に入ってきたのを見逃さなかった。「ミスショットせず、仕留められた」と、右翼席へゆうに届く当たり。淡々とダイヤモンドを回ったソフトバンクの中村晃は、手をたたいて5点目のホームを踏んだ。

 柳田、デスパイネの連続二塁打でリードを3点に広げた三回。無死二塁で打席に立った。西武の先発今井の戦意を砕くには十分の2ランも、本人は「たまたま。良い流れに乗れ、最低でも走者を三塁に進めようとだけ考えた結果」。

 ただ、その良い流れを運んだ先制打もこの29歳だ。一回に2死一、三塁から、真ん中高めの変化球をきっちりと右前へ打ち返した。

 3試合ぶりの先発。またも工藤監督の起用が当たった形だ。監督は「打っている人は出す」と、奇はてらわずにオーダーを組んだ。今井に対して今季、先頭の牧原が打率3割3分3厘、2番今宮から5番中村晃までは4割以上を4人並べた。

 中村晃自身は、「(今井を)特に打っているという感覚はない」。ただ、苦手意識もなく、8月30日には今季2号を放っている。工藤監督は「ストレートに合わせられていた。期待していた」。確信があった。

 CSで挙げた9日までの3勝は、すべて逆転勝ち。「先制し、追加点を取り、逃げ切るのがうちの試合運び」と工藤監督はいう。この日、強打の西武に追い上げられながら逃げ切った。持ち味は、試合を追うごとに出てきている。(藤木健