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 短文投稿サイト「ツイッター」の検索で約7年前の逮捕歴が表示され、人格権を侵害されたなどとして、北日本の男性が削除を求めた訴訟の判決で、東京地裁(谷口安史裁判長)は11日、「プライバシーを違法に侵害している」と認め、ツイッター社にツイートを削除するよう命じた。

 検索結果の削除の是非をめぐっては、最高裁が2017年の決定で、グーグルなどの検索サイトは独自の方針に沿った結果が表示されるため表現行為の側面があり、情報流通の不可欠な基盤にもなっていると指摘。プライバシーを公開されない利益については、「検索サイトの表現の自由と比べ、明らかに優越する時に削除が認められる」との判断を示した。

 地裁判決は、ツイッターの検索について「投稿日時の順に表示しているにすぎない」と指摘。検索サイトが持つ表現行為という側面はないとし、「情報流通の基盤になっているとまではいえない」と判断した。ツイッター上の情報の削除のハードルは、検索サイトより低いことを示した形だ。

 その上で、男性の逮捕歴が公表され続ける場合とされない場合の利益を比較。逮捕から約7年が過ぎ、当時、大きく取り上げられた事件でもないことなどから、公益性は低いと指摘。男性の新生活の平穏や更生が妨げられないよう保護されるべきだとし、「ツイッターの伝達される範囲は限られるとしても、公表されない場合の利益が優越する」と判断した。

 男性は約7年前に建造物侵入罪で逮捕され、罰金刑を受けた。マスコミに実名で報道された記事を引用したツイートが複数投稿されており、ツイッターで男性の名前を検索すると、逮捕歴がわかる内容が表示され、就職活動や交友関係に支障が出ていたという。

 ツイッター社側の代理人弁護士は「コメントできない」としている。(新屋絵理)