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 黒い牛にシマウマのような模様をつけると、アブやサシバエなどの吸血昆虫が近寄りにくくなることを、愛知県農業総合試験場と京都大のチームが突き止めた。牛の病気の防止や、ストレス軽減につながるという。近いうちに、しま模様の牛が牧場で草をはむようになるかも――。

 同試験場畜産研究部養牛研究室の児嶋朋貴主任は、畜産農家を支援する部署にいた時、農家が吸血昆虫に悩んでいることを知った。牛白血病などの病気を媒介するほか、刺された痛みやかゆみで牛がストレスをため、発育が悪くなる影響があるという。シマウマのしま模様が虫に刺されにくくするという論文があることを知り、現部署に異動後、実験を始めた。家族で東山動植物園(名古屋市千種区)に行った際、シマウマの写真を撮って模様を観察したという。

 実験では、白いスプレーでシマウマのような模様を付けた牛、黒いスプレーでしま模様を付けた牛、何もしない牛の3頭を用意し、どの牛に虫が付きやすいかを繰り返し調べた。柵につないで30分後、それぞれの牛の右半身の写真を撮り、くっついている虫の数を確認。平均すると、何もしない牛には128匹、黒いしま模様の牛には111匹付いたが、白いしま模様の牛は56匹で、ほかの半分ほどだった。

 児嶋さんによると、しま模様によって、虫が牛の皮膚に止まりづらくなっているようだという。「生産性は畜産農家にとって非常に大事なので、愛知県だけでなく全国で役立ってほしい」と話す。今後、アブなどが活動する6~10月の間に、しま模様を付いたままにする手法を考えたいという。

 この成果は、米国の電子版科学誌プロスワンに論文(https://doi.org/10.1371/journal.pone.0223447別ウインドウで開きます)として掲載された。(木村俊介)