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 大型で非常に強い台風19号の接近を受け、静岡県内の公共交通機関や商業施設は最接近する12日の運休や休業を決めた。県は災害警戒本部を県庁に設置。かつて県内に大きな被害をもたらした「狩野川台風」に並ぶとされる大規模な台風に、厳戒態勢で備えている。

 JR東海によると、東海道新幹線は12日、東京―名古屋間の運転を終日取りやめる。在来線では東海道線の熱海―豊橋間、御殿場線の国府津―沼津間、身延線の富士―鰍沢口間で終日運転を見合わせる。

 静岡空港では12日の離着陸便が全て欠航となる。

 ネクスコ中日本によると東名高速では、富士インターチェンジ(IC)―清水ジャンクション(JCT)間の下り線と、清水JCT―富士川スマートIC間の上り線で、10日夜から順次、通行止めとなっている。12日午後には東名、新東名を含む県内の高速道路の全区間で通行止めとなる可能性があるという。

 大井川鉄道は12日、全便で運休を決めている。伊豆箱根鉄道は駿豆線(三島―修善寺)を終日運休する。遠州鉄道も新浜松―西鹿島間と路線バスを始発から終日運休とする。天竜浜名湖鉄道も始発からの全面運休となる。岳南電車は同日、全線が終日運休。伊豆急行は午前8時以降は順次、全線で運休となる。しずてつジャストラインも全路線バスの運転を始発から見合わせる。

 国土交通省によると、国道1号バイパスでは11日夜から、静岡市清水区の一部区間を通行止めとした。今後、その他の国道などで通行止めが拡大する可能性もあるという。

 商業施設や観光施設も次々と休業を決めた。静岡伊勢丹(静岡市葵区)や松坂屋静岡店(同)、遠鉄百貨店(浜松市中区)、ららぽーと沼津(沼津市)などの商業施設が12日は臨時休業すると発表した。

 県によると、県立美術館(静岡市駿河区)、ふじのくに地球環境史ミュージアム(同)、富士山世界遺産センター(富士宮市)の3施設も12日は休館となる。同日の県舞台芸術センター(静岡市駿河区)での芸術劇場「寿歌」の公演中止も決まった。

 静岡地方気象台などによると、台風19号は1958年9月26~28日に、旧修善寺町を中心にして県内で1040人の死者・行方不明者を出した「狩野川台風」に匹敵する規模という。12日夕方から夜にかけて暴風域を伴って県内に最接近し、猛烈な雨が降る見込み。13日正午までの24時間の雨量は県内の多いところで600~800ミリ、最大瞬間風速は陸上で45メートルと予想されている。

 県は11日、気象警報などが発令される前に準備を進める「災害警戒本部」を初めて設置。9月の台風15号で大きな被害を受けた伊東市と東伊豆町に12日早朝から職員を派遣するなど、約800人態勢で警戒にあたるという。

 県や静岡地方気象台は、台風が県内に最接近するとみられる時間帯が大潮の満潮と重なることから、高潮や河川の氾濫(はんらん)、土砂災害にも警戒を呼び掛けている。それ以外の地域でも強風によって飛来物で負傷するおそれや、自動車の運転が困難になる可能性もあり、「不要不急の外出は控えるように」と呼びかけている。