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「あなたは誰ですか ルポ孤独死」取材班から

 誰にもみとられずに亡くなり、時がたってから遺体が見つかる――。私たちは「孤独死」をこう定義し、取材を続けています。いまや年間数万人規模にのぼるとも言われますが、一方で法律などによる明確な定義はありません。全国的な実態はどこも把握できておらず、その処方箋が見つからないまま、現在に至っているのが実情です。

 日々現場で遺体と向き合う大阪府警の捜査員は、「大変なことが起きている。それを皆が知るべきだ」と話しました。だがこうした中にあっても、徐々に深刻化してきたがゆえに驚きや関心を失っているかも知れない。そんな自戒を込め、取材班はこのテーマに取り組んでいます。

 今回の取材では、大阪府警の協力を得ながら、実際にその現場に記者が足を運ぶことから始めました。何が起きているかを、理解するためです。その際に死者の尊厳を傷つけないよう心がけるとともに、ご遺族や関係者には、「深刻化する現状を伝える重要性」について訴えてきました。

 一人暮らしだった高齢の男性が、死後1カ月たって見つかったケースを取材しました。この男性の兄は取材に、男性の生い立ちや、疎遠になった経緯を語ってくれました。「この問題を考えるきっかけにしてほしい」というのが兄の思いでもあります。

 核家族化や多死社会など、この問題は様々な切り口で考えることができますが、答えが簡単に見つかるものではありません。死がいつでも、どこでも起こりえることを考えると、私たちは孤独死予備軍でもあります。

 この記事を読んだ方々が、「自分事」として考えるきっかけになって欲しい。そう願っています。

(取材班キャップ・小池暢)

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朝日新聞デジタルでは、特集シリーズ「プレミアムA」の第3弾として、「あなたは誰ですか ルポ孤独死」の「捜査編」を公開しました。

 プレミアムAは、厳選したニュースやルポルタージュを、デジタルの最新の表現方法を駆使して伝える朝日新聞の特集です。

あなたは誰ですか ルポ孤独死【捜査編】の一部を紹介します