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 台風19号は関東や東海、東北を中心に記録的な大雨をもたらし、気象庁が上陸前に大雨特別警報を出す事態となった。これまでの降雨で土砂災害や洪水の危険が高まっており、13日以降も警戒するよう呼びかけている。

 数十年に一度の重大な災害が予想される特別警報が出されたのは、東京や神奈川、埼玉、山梨、群馬、長野、静岡、新潟、栃木、茨城、福島、宮城、岩手の1都12県の自治体。都内では板橋、豊島、墨田、世田谷など6区にも出された。

 特別警報の指標となる48時間雨量は12日午後9時40分までに、神奈川県箱根町で1001・0ミリ、静岡県伊豆市湯ケ島で760・0ミリ、埼玉県秩父市で686・5ミリを記録し、いずれも観測史上1位を更新した。

 特別警報の発表を受けて、緊急会見を開いた気象庁の梶原靖司・予報課長は「台風の中心を取り巻く雨雲とは別に、北側に非常に分厚く発達した雨雲が広がっていた」と指摘。この雨雲や、台風本体から湿った空気が流れ込んだことなどで、上陸前から神奈川県などで山間部を中心に記録的な大雨となったという。

 台風19号は13日早朝には東北沖を北上。夕方までに、北海道の南東海上で温帯低気圧に変わる見込みだ。ただ、12日に山間部で降った雨が下流に達するまで時間がかかることから、梶原課長は「台風が過ぎ去ったから大丈夫だと安易に考えない方がいい」と指摘。河川の増水や氾濫(はんらん)のほか、倒木や建物の倒壊などによる飛散物にも注意するよう呼びかけた。

 国土交通省などによると、東京都や静岡県、埼玉県などで河川が氾濫。東京都世田谷区では12日夜、住宅街を流れる多摩川の水が堤防を越え、周囲の道路が冠水した。ほかにも長野県上田市と長野市の千曲川や、静岡県菊川市の牛淵川、埼玉県東松山市の都幾川などが氾濫した。

 各地で土砂崩れも相次いだ。消防などによると、土砂崩れによって相模原市緑区で家屋3棟が全壊する被害が出たほか、群馬県富岡市では60代男性が死亡したという。

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 東京都など9都県は地元の市町村に災害救助法の適用を決めた。(金山隆之介)