大潮時期 「吹き寄せ・吹き上げ」で高潮に注意を
12~13日は大潮の時期にあたり、満潮時はもともと潮位が高い。大型の台風19号が東海、関東に接近する12日夕に満潮時刻を迎えたため、複数の地点で潮位が観測史上最高を更新した。東京湾などの沿岸部では建物の玄関に土囊(どのう)を積むなど、警戒する動きがみられた。
高潮は、台風などが通過する際に海の水位が上昇する現象。主な原因の一つは、沖から吹きつける強風によって海水が吹き寄せられ、海岸近くの海面が上昇する「吹き寄せ」。もう一つは、中心付近の気圧が周辺より低いため、海面が吸い上げられるように上昇する「吸い上げ」だ。気圧が1ヘクトパスカル下がると約1センチ上昇するとされる。台風19号は中心気圧が午後4時時点で945ヘクトパスカルと低いまま本州に接近、相模湾や東京湾には岸に向かって強い風が吹き続けた。
気象庁によると、午後4~5時、神奈川県小田原市や静岡県伊東市、御前崎市などで観測を始めて以来、最も高い潮位を観測した。
昨年に関西を襲った台風21号でも高潮被害が発生。大阪市では潮位が329センチ、神戸市では233センチに達した。関西空港(大阪府)では大規模な浸水で多くの旅行者が取り残された。
東京で13日午前4時29分、静岡(清水港)で同5時1分、名古屋で同5時29分にも満潮を迎える。各自治体は高潮の浸水想定地域を示したハザードマップを公開している。
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