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台風19号

 12日午後4時40分ごろ、群馬県富岡市内匠(たくみ)で土砂崩れがあり、住宅が土砂に流されたと119番通報があった。

 上信越道の富岡インターチェンジ近くで、川沿いにある集落。地元の消防によると、5棟ほどが倒壊したという。6人を救助し、このうち、60代男性が死亡したという情報もあるという。消防は午後9時現在、ほかに行方不明者がいないか捜索を続けている。

 また神奈川県箱根町の消防によると、町内の複数の場所で崖崩れが発生。被害について、消防が確認を進めている。気象庁によると、箱根町の12日午後8時40分までの12時間雨量は、全国で最も多い680・5ミリに達した。

 長野県東御(とうみ)市の県道では12日午後7時ごろ、「車が落ちた」と119番通報があった。市によると、車が転落したのは、千曲川に架かる田中橋のたもととみられる。川の増水で道路下の地盤がえぐられ、崩落したらしいという。落ちたのは3台で計5人が乗っていたが、午後9時までに消防が3人を救助。2人を救助中という。いずれも意識はあり、命に別条はないという。

 三重県伊勢市では12日朝、川の水があふれて住宅約20戸が浸水した。「雨がかなり激しく、午前10時前からあれよあれよという間に水かさが増してきた」。家の中に、ひざ下あたりの高さまで水が来たと女性(78)は言う。午後5時半過ぎに家の水は引いたが、道路は冠水したままだ。「これからの片付けが大変です」

 静岡市駿河区西島でも、駿河湾から北に300メートルほどの住宅街で道路が冠水した。黒田隆彦さん(52)宅付近では、12日午前8時ごろに腰のあたりまで水位が上がったという。近くの田んぼから、わらが流れ出て排水路が詰まるため、近所の人と取り除いた。「もうなすすべがない。電気やガスのライフラインが止まらなければ良いが」

 伊豆半島の付け根にある静岡県沼津市では12日午後3時ごろ、狩野(かの)川の濁流の水かさが増し、橋桁に達しそうになっていた。近くの70代男性は「こんなに水位が上がっているのを見るのは初めてだ」と驚いた様子で語った。

 1200人を超える犠牲者が出た1958年の「狩野川台風」では、狩野川が氾濫(はんらん)。その後、洪水対策の「切り札」として完成したのが「狩野川放水路」だ。川の中流から直接、駿河湾に放流する。国土交通省沼津河川国道事務所がこの日早朝に放水路を開放したものの、雨脚が強く下流の水位は上昇し続けた。

 静岡県などによると、下田市と御前崎市で屋根の修理中に転落するなどして男性2人がけがをした。御殿場市では同日昼、用水路で作業をしていたとみられる40代の男性2人が川に流された。1人は木にしがみついて救出されたが、1人は行方不明になっている。

 神奈川県三浦市では12日午前8時ごろ、女性(77)が強風であおられた自宅のドアを閉めようとして転倒し、足の骨が折れる重傷を負った。川崎市中原区では午後0時半ごろ、70代女性が避難途中に風にあおられ転倒し、頭に軽いけがをした。小田原市でも午後0時40分ごろ、避難所に向かっていた60代男性がつまずいて額にけがを負い、病院に運ばれた。同市の別の避難所に向かっていた50代女性も転倒し、左目の上に軽傷を負った。