英国勢が「認定」しなかった快進撃、今度こそ ラグビー

森田博志
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 ラグビー・ワールドカップ(W杯)開幕後、ある会合で日本協会の森会長(67)は、ワールドラグビー(WR)のボーモント会長(67)へ白黒写真を贈った。1979年、大阪・花園での日本―イングランド。日本の森主将が相手のボーモント主将を抜き去る瞬間だ。「合成写真だろう」。ボーモント会長は笑顔で返した。

 この試合、日本は終了間際に逆転されて大金星を逃した。第2戦へ期待が膨らみ、両主将でテレビ出演もした。結局、連敗したが、日本ラグビー史の輝く1ページだ。しかし、イングランドはテストマッチ(代表同士の試合)と認めていない。

 ラグビーの「母国」のはるか東方への遠征は、大相撲で言えば巡業のようなもの。2年前、W杯抽選会で2人は再会したが、ボーモント会長は森会長をすぐには思い出せなかった。英国のパブリックスクールから発展したこの競技はエリート意識も根強い。記録にも記憶にも残らなかった。日本がスコットランドに勝った89年の一戦も、相手にテストマッチと認定されていない。

 不安視されたラグビー途上国でのW杯は盛り上がっている。そして、日本の快進撃。ボーモント会長が目の当たりにしている光景は、決して合成写真などの作り話ではない。(森田博志)

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