【動画】堤防が決壊した千曲川=高橋伸竹撮影
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 濁った川の水が、住宅や田畑が広がる平野に止めどなく流れ込んでいた。

 13日午前8時ごろ、千曲川が氾濫(はんらん)して大きな被害を受けた長野市穂保(ほやす)周辺の上空を、本社ヘリコプターで飛んだ。左岸の堤防が一部決壊し、見渡す限り茶色い水に覆われ、多くの住宅の1階部分が浸水していた。堤防決壊付近の道路は、えぐられたように崩落していた。

 自衛隊や消防などの数機のヘリが飛び交う中、あちこちの住宅では、逃げ遅れた人たちが2階の窓やベランダから手やタオルを振って助けを求めているのが見えた。ある家族は、屋根の上に食糧や荷物を運び出して、毛布にくるまりながら救助を待っていた。別の住宅では、高齢女性1人を自衛隊員が抱え、ヘリがつり上げて救出していた。

 救助用のボートも濁った水面を行き交い、孤立した建物から人々を助けて回っていた。

 近くの県立総合リハビリテーションセンターで、「大勢の入所者らが孤立している」との情報が入った。午前11時半ごろに現地に向かうと、職員や地域住民とみられる人々が、泥水につかりながら、車いすやストレッチャーを押したり抱えたりしていた。入所者らを救急車が待つ道路まで避難させていたようだった。

 千曲川から約1キロ離れたJR東日本長野新幹線車両センターでは、新幹線の車両7編成が水につかっているのが見えた。脇を走る北陸新幹線の高架の一部も水没していた。

 上流にある長野県上田市では、千曲川沿いの堤防が崩れ、上田電鉄別所線の鉄橋の一部がぐにゃりと曲がり、濁流にのみ込まれたままになっていた。(本多由佳)