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 大型で非常に強い台風19号の通過から一夜明けた13日、県西部を中心に被害状況が明らかになってきた。2人が死亡、多数の川で堤防が切れたり水があふれ出たりして500戸以上が床上に浸水した。県内に初めて特別警報が発令された今回、雨台風はその猛威をまざまざと見せつけた。

 気象庁によると、12日深夜または13日未明までの24時間降水量は、秩父市浦山で647・5ミリ、ときがわ町で587ミリ、寄居町で475・5ミリなど。14カ所の観測地点のうち10カ所で史上最大、熊谷市の250・5ミリなど3カ所で10月の1位を記録した。

 全国的にも、台風19号に伴う24時間降水量で秩父市浦山が3位、ときがわ町が8位となるなど、上位15カ所中4カ所を県内の地点が占めた。一方、最大瞬間風速で観測史上1位は27・7メートルの鳩山町1カ所。風より雨が脅威だったことがうかがえる。

 13日午後4時現在の県のまとめや県警によると、鳩山町赤沼で69歳の女性が一時水没した橋の上で、東松山市正代では70歳の男性が水につかった車の運転席で見つかり死亡が確認されたほか、17人が負傷。県警は坂戸市や東松山市などで計59人を救助した。

 河川の堤防は東松山市の新江川、都幾川、九十九(つくも)川と川越市の越辺(おっぺ)川の4河川で決壊。それ以外に県管理の河川だけで水があふれ出た場所は34カ所あった。

 猛烈な雨とそれによる川の水の流出などのため、29市町が避難指示、33市町村が避難勧告を発令。全市町村が開設した避難所に身を寄せた人は久喜市の8979人をはじめ、3万147人に上った。

 住宅の被害は和光市で一部破損が1戸、床上浸水は川越市の201戸など計544戸、床下浸水は計526戸に及んだ。特別養護老人ホームなど18の社会福祉施設でも利用者が他の施設に避難。5施設で床上・床下浸水の被害があった。

 ライフライン関係では数千戸で停電したが、順次復旧中。水道は5市町村で一部が断水し、派遣要請をした自衛隊などが給水支援にあたっている。

 土砂災害も26カ所で発生し、越生町では太陽光発電計画がある急傾斜地で土砂崩れが起き、住民が避難。けが人はなかった。

 県は大雨特別警報が出た40市町村に災害救助法の適用を決めた。大野元裕知事は災害対策本部の会議で「被災者が一日も早く日常生活を取り戻せるよう関係機関と力を合わせて欲しい」と訓示した。(森治文、高絢実)