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 台風19号の影響で氾濫(はんらん)した多摩川にほど近い東京都世田谷区の住宅街では、12日夕方から夜に掛け、一部で2メートル近くまで水が流れ込んだ。浸水被害にあった住宅などでは13日早朝から泥水の掃除や、水で流された自動車の撤去活動が行われていた。

 同区玉堤1丁目の6階建てマンションでは、住民総出で浸水した1階部分の住宅や共有部の掃除にあたっていた。50代の男性住民によると、12日は午後5時過ぎからマンション前の道路が冠水し、氾濫危険情報が出された午後5時50分ごろには歩いて移動ができないほど水位が上がった。

 男性は「みるみる水が増えて、ひどいときは水位が180センチを超えた。土囊(どのう)を準備するなどして備えていたが、想定を超えていた」と振り返った。1、2階の住民を3階以上の住居に宿泊してもらうなどして、一夜を明かした。「停電もあり、午前3時ごろに水がはけるまでとても不安だった」と話した。

 近くにある介護付き有料老人ホームでは13日午前、一部の利用者を提携している病院に緊急入院させた。エレベーターが故障したため、2階以上に住む利用者を職員が数名で抱えて降ろし、車に乗せていた。職員によると、昨晩は施設1階部分には一時、1メートル以上の水が流れ込んだ。電気系統が壊れ、発電機で夜をしのいだという。「まさか、多摩川が氾濫するとは思っていなかった」と話した。

 保坂展人区長によると、12日午後9時半ごろ、消防から玉堤地区一帯で80世帯以上が孤立していると区災害対策本部に連絡があり、自衛隊に災害派遣要請をした。玉堤地区では一部の住民が自衛隊などに救助された。(国米あなんだ)