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 中秋の城跡で石垣を背景に演じられる「のべおか天下一薪能(たきぎのう)」が12日夜、延岡市の延岡城址(じょうし)二の丸広場で催された。23回目。台風北上の影響で会場は強い北風に見舞われたが、観客は舞台に見入り、一夜限りの幽玄の舞を楽しんでいた。

 演目は能「景清(かげきよ)」「海士(あま)」と狂言「魚説経(うおぜっきょう)」。

 景清を演じる片山九郎右衛門(くろうえもん)さん(54)=観世流シテ方=が立ち上がり「源平の戦い」での武勇伝を語り出すと、図らずも風が強まり、風の音と共に衣装をなびかせ、薪能ならではの野趣あふれる演出に。風に流れる雲の間に見え隠れする満月に近い月も、会場の雰囲気作りに一役買った。

 魚説経では茂山七五三(しめ)さん、逸平さん親子の滑稽なやり取りが観客を笑わせた。地元の子供たちも前座の仕舞や連吟に出演して拍手を浴びた。(吉田耕一)