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 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」は14日、閉幕する。企画展「表現の不自由展・その後」がいったん中止されたことを教訓に、表現の自由を守るための「あいち宣言」をとりまとめようと関係者らが協議を続けてきた。14日の公表を目指している。

 8日付で公表された宣言の草案は、芸術家・鑑賞者・芸術監督・キュレーター(展示企画者)らのそれぞれの「権利と責務」を明記。芸術家は自由な創作活動の権利がある一方で、鑑賞者の見る権利と見たくない権利に配慮し、その芸術表現で問題が生じたら適切なコミュニケーションを取るなど対応する責務があるとする。鑑賞者は見て聞いて自ら体験する権利がある一方で、来場体験を通して意見や批判を述べるよう努める、などの内容だ。

 宣言は、8月に企画展が中止された際に芸術祭実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事が提案。各国政府や人々に表現の自由をアピールする狙いがあった。だが、芸術祭参加作家らが「宣言を政治的なものとしてはならない」と、9月から文言を練り、10月から市民と意見交換を重ねながら「批判と脅迫をどう分けるか」「作品を見たくない人の権利はどう示すか」などと議論を続け、パブリックコメントも求めてきた。

 企画展は8日に再開されたが、鑑賞は抽選制となった。13日、240人の枠にこれまでで最多の延べ約3千人が抽選に訪れた。最終日の14日も午前9時から抽選を受け付ける。(江向彩也夏、山下奈緒子)