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 トルコ軍がシリア北部で開始した少数民族クルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)への軍事攻撃で、国連は13日、シリア側の避難民が推定で13万人以上に達したと発表した。一方、トルコ軍はシリア側の要衝ラスアルアインを制圧したと発表。戦闘は拡大しそうだ。

 国連人道問題調整事務所は、トルコとの国境近くに暮らしていた13万人以上が避難したと発表した。国境から約70キロ離れたシリア北東部ハサカの学校などに身を寄せているという。地域の水道が止まっているが、戦闘のため修理もできないという。

 攻勢を強めるトルコ軍は12日、シリア側の要衝ラスアルアインを制圧したと発表。トルコのアナトリア通信によると、トルコ軍は9日に軍事作戦に着手して以降、YPGの戦闘員ら480人の「テロリスト」を殺害した。

 民間人の犠牲者も増えており、シリア内戦の反体制派NGO「シリア人権監視団」は13日、民間人の死者が52人に達したと発表。うち19人は、トルコが支援するシリアの反体制派武装組織に「銃で処刑された」としている。事実なら、トルコへの国際的な非難が高まりそうだ。

 また、11日にはシリア北東部カミシュリで爆発物を積んだ車が爆発し、ロイター通信によると民間人3人が死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS)が系列メディアを通じて犯行を認めた。

 米ホワイトハウスは12日、トルコ軍の軍事攻撃の影響で迫害される民族や宗教的な少数派を保護するために5千万ドル(約54億円)を拠出したと発表した。「クルド人を見捨てた」との批判が国内外で高まる中、対応をとったとみられる。ただ、トランプ大統領は同日も「クルド人は自分たちの土地のために戦っている。我々の兵士がそこにいるべきだとは思わない」などと述べた。(イスタンブール=北川学)