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 宮城県丸森町では、阿武隈(あぶくま)川の増水で、中心部が水に覆われた。水位は道路標識の高さに達し、流された車が道路をふさぐ。まるで茶色くにごった湖のような光景に一夜で変貌(へんぼう)し、避難者が立ち尽くしていた。

 町内の男性(78)は12日午後4時ごろ、軽乗用車で役場に避難した。その車も水没。自宅周辺は1階まで浸水していると聞いた。「一晩明かせば大丈夫と思ったが、こんなことになるなんて。車も家ももうだめだ」

 県は、住宅が浸水被害などを受けた人に、東日本大震災の被災者向けの災害公営(復興)住宅の空き室に入居してもらう検討を始めた。

 栃木県佐野市では12日午後8時50分ごろ、秋山川の赤坂町堤防が決壊した。一帯が浸水し、住宅の一部が孤立状態になった。

 高2の息子と救出された篠原幸さん(44)は午前4時ごろ、近所の犬の鳴き声で目を覚まし、外を見ると水浸しだった。「驚いた。長年、水があふれることはなかったのに」

 一人暮らしの福地マツ子さん(71)は13日未明、災害情報を告げるアラームで目を覚ました。「それからあっという間に水かさが増して、畳が浮いて、こたつもひっくり返ってしまった。生きた心地がしなかった」。一睡もせずに夜を明かし、救出された。

 水戸市でも市内を流れる那珂川や支流で水があふれ、多くの住宅が浸水した。自衛隊や警察、消防がヘリやボートで約130人を救助した。

 同市の公務員男性(46)は午前6時ごろ、「ゴー」と水が流れる音で目が覚めた。「台風15号で被害がなかったので大丈夫だろう」と思っていたが、1階の天井辺りまで水はせり上がり、消防のボートで救助された。「命だけあって良かったです」と話した。(窪小谷菜月、中野渉、林幹益、小島弘之)