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 静岡県伊豆半島に12日夜上陸した台風19号の影響は、13日になって死者1人、250世帯の浸水などが相次いで判明した。ピーク時の被害者は2万5千人に上った。長野県などのような大規模被害は回避されたが、現場では復旧に向けた必死の作業が続いた。

 県によると12日午前0時から13日午前7時までの連続雨量は伊豆市湯ケ島で688ミリ、富士市大渕で643ミリ、最大瞬間風速は南伊豆町の石廊崎観測地点で36・7メートルだった。

 県の午後3時時点のまとめでは、御殿場市中山で40代と見られる男性が用水路に流されて行方不明となり、下田市や三島市などで6人が負傷。牧之原署によると13日午前8時ごろ牧之原市男神で田んぼに転落した車から近くに住む70代の男性が見つかり、死亡が確認された。湖西市新居町の川でも人と自転車が見つかり、死亡が確認された。ともに台風関連かどうか確認している。

 住宅では床上81棟、床下169棟の浸水があったほか、小山町の特養老人ホームの1階部分に土砂が流入、一部の利用者を他の施設に移送した。伊豆の国市や函南町ではイチゴやトマトの農業施設が冠水した。

 また熱海市と県企業局によると土砂崩れで送水管が破損し、13日午後3時から熱海市内で順次断水が起こっている。断水は熱海市内の約2万世帯中、約8千世帯に及ぶ。隣接の函南町の一部でも断水し、21日までの通水を目指すという。県内の主な鉄道各線は13日昼までに運行を再開した。

県東部など停電8000軒

 被害現場では復旧作業が続いた。函南町の東海食糧では米を保管する倉庫や事務所がひざ上まで冠水。保管していた米がぬれて膨張し、積み上げられていた米袋が崩れて、米が散乱した。従業員はスコップなどではき出し作業に追われたが、ぬれた米を販売するのは難しく、被害総額は億単位にのぼるという。

 静岡市駿河区西島は住宅街が冠水。松岡奈緒子さん(28)は車が浸水し、ペットボトルで水をくみ出した。「車内は10センチくらい水がたまった」という。

 停電も発生した。県東部をエリアとする東京電力パワーグリッドによると、午後6時現在、約8千軒で停電している。韮山反射炉(伊豆の国市)の周辺一帯では、台風が直撃した12日夜から停電が続いた。近くのカフェ「茶房炉」は休業し、冷蔵庫が使えないため、冷凍ボックスに氷を入れてアイスやケーキを移し替えたという。店主の萩原みつ子さんは「来てくれるお客さんに申し訳ない気持ち。一日も早く復旧してほしい」と話していた。