ノーベル文学賞の選考団体・スウェーデン・アカデミーの元事務局長、サラ・ダニウスさんが12日、死去した。57歳だった。乳がんを患い、闘病していた。AP通信などが伝えた。

 ダニウスさんは2013年にアカデミー会員となり、15年に女性として初の事務局長に就任。伝統にとらわれない選考のあり方の実現に指導力を発揮し、チェルノブイリ原発事故の被災者の証言集などで知られるベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシエービッチさんや米国のミュージシャンのボブ・ディランさん、日系英国人作家のカズオ・イシグロさんへの文学賞授与を発表したことで知られる。

 アカデミーをめぐっては17年11月、アカデミー会員を妻に持ち、文学界に強い影響力を持つ写真家の性的暴行疑惑が浮上。ダニウスさんは、この写真家に近い有力会員と対立し、昨年、事務局長を辞任、今年に入って会員も辞めた。一連のスキャンダルでアカデミーは18年の文学賞の受賞者発表を見送り、今月10日に18年と19年の受賞者を発表していた。(ロンドン=下司佳代子)