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 首都美化はオリンピックの1種目!――1964年東京五輪の期間中、国立競技場がある地元の住民はどう過ごしていたか。当時の回覧板など貴重な品を展示する「信濃町展~東京1964―2020へ」が14日、東京都新宿区信濃町の民音文化センターで始まった。20日まで。

 「さあ!お客さまがやってくる!」と題した64年9月25日発行の「都のお知らせ」には、「せめて家のまわりはきれいに…」という見出しで、「首都美化総点検カード」のチェック項目が並ぶ。そして「首都美化はオリンピックの1種目」と住民に呼びかける。

 保健所のお知らせでは「ハエ、ねずみ、ゴキブリは見つけ次第退治すること」「冷蔵庫を過信せず、温度は5度以下にしていくこと」「犬はつないで飼うこと」といった注意が並び、当時の都民の暮らしぶりをうかがわせる。

 五輪閉幕後の11月17日にはバスで競技場を巡る町会ツアーを実施したという資料もある。ほかにも道案内協力者の募集のお知らせと割当表、期間中の清掃当番表など、地元の町会ゆかりの資料のほか、電車やバスの記念切符や記念たばこ、灰皿、雑誌などが展示されている。信濃町町会の甲山覚会長(78)は「当時の貴重な資料で感激した」と懐かしむ。

 展示品は、鹿児島県で介護老人福祉施設を経営する藤井勝己さん(71)が、長年集めた所蔵品の一部を提供したもの。「こうして飾ってもらうと輝いてみえる」と語る。橋渡しをした筑波大の真田久教授(63)は「当時の地元の皆さんの熱気が伝わってくる品々を多くの人に見ていただきたい」と呼びかけている。(編集委員・安藤嘉浩