クルド人同士なのに…国境の向こうの悲鳴 トルコルポ

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ヌサイビン=其山史晃 アルビル〈イラク北部〉=高野裕介
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 シリア北部で少数民族クルド人の武装組織に対する軍事作戦を進めるトルコの国境地帯に記者が入った。クルド人主体の町の住民は、複雑な思いを抱きながら、それを口に出せない緊張があった。そして、攻撃を受けるシリア側は混乱し、住民が苦悩していた。

 シリアと国境を接するトルコ南東部ヌサイビン。記者が訪れると、市街地の路上には生々しい血痕の帯が残っていた。国境を隔てたシリア側の町カミシリから反撃の迫撃砲弾が11日に直撃し、市民9人が死亡した。近くを通り過ぎる住民らが血のついた小石を集め、犠牲者への哀悼の意を示していた。

 住民らによると、50メートルほど離れた民家に砲弾が落ちて数分後、救助のために人々が集まったこの場所で2発目が炸裂(さくれつ)したという。

 写真を撮っていると、年老いた男性から「なぜメディアは本当のことを書かない。エルドアン大統領がそんなにこわいのか」とまくし立てられた。

 ヌサイビンにはクルド人が多く住み、国政野党のクルド系政党「人民民主主義党」(HDP)の支持者も多い。2016年7月のクーデター未遂後、強権化したエルドアン政権は非常事態宣言下でHDPなど政権の批判勢力を弾圧。クルド系メディアなどへの締め付けも強め、メディアの9割が親政権の論調になっている事情がある。

 砲弾で損傷を受けたアパートで取材を始めて5分ほどたったころ、外に警察の装甲車2台が止まり、小銃を携えた数人の警官が出てきた。身分証明書の提示を求めた若い男性警官が、「トルコの評判をおとしめているメディアがいる。あなたもそうか」と尋ねてきた。トルコの軍事作戦が国際社会から非難されていることを警戒しているようだった。

 ヌサイビン中心部の大通りで…

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