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参院予算委、台風被害でもくとう

 参院予算委員会は15日、台風19号による被害を受けて約1時間、災害に関する質疑を追加した。与野党の質問者はそれぞれ対応に取り組む姿勢を強調。野党はさらに、自民党の二階俊博幹事長が「(被害は)まずまずで収まった」と発言したことに対する安倍晋三首相の認識を問うた。

 「多くの尊い命が失われ誠に痛ましい限りだ。ご冥福をお祈りし、もくとうを捧げたい」

 予算委冒頭、金子原二郎委員長(自民党)はこう言及。与野党議員は一斉に自席で立ち、委員会室には沈痛な空気が流れた。金子委員長は「台風19号の被害を受け、従来にない形で質疑を行う」とも述べた。

 予算委の開会直前の理事会で、与野党は先週末に固めていた質疑の予定を変更していた。政府の台風対応を問うため57分間の質疑を追加することで正式合意。追加の質疑時間は、参院予算委では通例の質問者の時間だけを定める「片道方式」ではなく、政府側の答弁の時間も含めた「往復方式」で行うことも決まった。

 与野党議員が質問に立ち、首相は「国としてできることはすべてやる」「先手先手で対応に万全を期す」と災害対応への決意を重ねて示した。ただ二階氏の発言については、野党の厳しい批判にさらされた。

 予算委2日前の13日、台風被害を受けて自民は緊急役員会を開いた。そこで飛び出したのが、二階氏の「予測されていろいろ言われていたことから比べると、まずまずで収まったという感じだ」という発言だ。すぐに野党からは「信じられない」(立憲民主党の枝野幸男代表)などと批判が噴出した。

首相「行政府の長として全力」

 「二階氏の発言を聞いてどう思ったか」。立憲の杉尾秀哉氏は予算委で首相にこう迫った。首相は2度にわたり、「発言を承知していないので、コメントは控えたい」と論評を避けた。一方で、「今は行政府の長として復旧・復興、救助活動に全力を挙げている」と強調した。

 こうした首相の答弁姿勢に対し、野党議員からは「なぜ二階氏の発言を確かめないのか」「『政府が一生懸命やっている』という感想を聞いているわけではない」との声があがった。

 杉尾氏が「(二階氏の発言に)私には憤りしかない。総理も何か一言あってしかるべきではないか」と重ねて問うと、首相は「コメントはできませんが」と前置きした上でこう答弁した。「私たちは『この程度であればよかった』ということは全くない」

 この答弁を受け、杉尾氏は二階氏の発言への追及については矛を収め、堤防の復旧などの対応を政府に求めた。ただ、その後に質問に立った共産党の井上哲士氏も二階氏の発言を取り上げ、「憤りを感じている。あまりにも実態とかけ離れている」と厳しく批判した。

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 第200回臨時国会。国会論戦や各党の動きなど、政治家たちの様子を「国会ひとコマ」としてお伝えします。(斉藤太郎)