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 家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染拡大を防ぐため、愛知県の大村秀章知事は15日、県内の豚にワクチンを接種する意向を示した。この日、県内の養豚関係団体などから接種の要望を受け、「覚悟の選択だと受け止める。愛知県内全域で接種することを決断し、速やかに実行していきたい」と述べた。

 ワクチン接種について、大村氏はこれまで養豚農家や食肉流通業者などすべての関係者の合意がないと難しいとしてきた。今回、関係団体の合意が得られたほか、新たな防疫指針で豚肉などの流通が制限されなくなったこともあり、接種に踏み切った。

 愛知県によると、県内で対象となる豚は199農家の27万頭強。野生イノシシの感染が確認されている地域から今月下旬に接種を開始するといい、費用は当面、国と県で負担する。県内ではこれまで約6万5千頭の豚が殺処分された。

 農林水産省がまとめた新しい防疫指針では、イノシシや飼育豚で感染が確認されたエリアを「接種推奨地域」に選定。各知事の判断で接種できるようにした。愛知のほか、岐阜や三重、群馬、埼玉など10県が対象で、このうち、愛知以外の9県は既に接種の意向を示している。

 今後、接種計画を具体的にまとめた「接種プログラム」を作り、農水省が承認すると接種が始まる。ワクチン接種後は生きた豚や受精卵などの移動・出荷は原則、接種地域内に制限される。豚肉や加工品の流通は制限されない。(岩尾真宏)