【動画】捜索が続く宮城県丸森町の土砂崩れ現場=野津賢治撮影
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 記録的な大雨をもたらした台風19号で、15日夜までに福島や宮城、神奈川など12都県で75人が死亡し、14人が行方不明になっている。福島や宮城など7県の52河川73カ所で、堤防の決壊が確認された。被災地では断水や停電も続いており、生活への影響は長期化するおそれがある。

 この台風によって東北や関東など広い範囲で浸水したが、各地で水が引き始め、確認される犠牲者の人数が増えている。15日は新たに福島県いわき市が、救助中の死者も含めて7人が死亡したと発表。15日夜までの朝日新聞の集計によると、福島県内の死者数は計27人に上った。宮城県と神奈川県でそれぞれ14人が死亡したほか、栃木県や群馬県、長野県、埼玉県など各地で死者が確認されている。東京都日野市でも、水が引いた多摩川の河川敷で男性の遺体が見つかった。

 ほかにも、福島県で4人、神奈川県と長野県で各3人など、計6県で行方不明者がいる。生存率が著しく下がるとされる「発生から72時間」が16日にかけて迫るなか、相模原市の土砂崩れ現場など、自衛隊も加わっての捜索活動が進んでいる。

 家屋被害については、千曲(ちくま)川の堤防が決壊した長野県で少なくとも2237棟、阿武隈川の堤防が決壊した福島県で753棟が床上浸水した。東日本全体では、床上浸水が1万298棟、床下浸水が1万1554棟に上った。福島や長野、宮城など、13都県で計4775人がなお避難を続けている。

 河川の堤防も、新たに高倉川(宮城県)や藤田川(福島県)などで決壊が確認された。国管理の24河川、都道府県管理の207河川で水が堤防を越えて浸水したほか、土石流やがけ崩れなどの土砂災害も埼玉や静岡など19都県の170カ所に上っている。

 水道や電気などライフラインにも深刻な影響が出ている。

 厚生労働省によると15日午後2時現在、12都県で少なくとも計約12万8千戸で断水が続いている。広域の冠水や浄水場・ポンプ場の水没などにより、福島県いわき市で約4万5千戸、茨城県常陸大宮市で約1万3千戸が断水している。

 停電も各地で続いており、経済産業省によると15日午後2時現在、関東甲信と東北の10都県の計約3万3千戸で停電。千葉県で約1万6千戸、長野県で約1万1千戸が停電している。

 中央道などの高速道路や、北陸新幹線やJR中央線といった鉄道も一部区間で寸断されており、それぞれ復旧作業が進められている。