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 食欲の秋。イタリアでは、9月に入ると週末のたびに、あちこちの町で「サグラ」と呼ばれるイベントが開かれる。サグラとは、「神聖な」という意味のラテン語が語源。元は収穫を祝い、神様に感謝するといった宗教的な意味があったようだ。だが、今は単に「美食の祭典」という意味で使われる。地元の名産を、みんなで集まってわいわい話しながら食べるお祭り。考えただけでも楽しそうで、よだれが出そうだ。

 さて、どこに行くべきか考えていたところ、ローマで冬の風物詩となっている焼き栗売りが、街中に現れ始めた。ドラム缶のような形の窯で栗を煎る、シンプルなストリート・フードだ。サグラでも当然、「栗祭り」があるはず。調べてみると、ローマから車で約1時間半のところにあるソリアーノ・ネルチミーノという町で、10月の週末に3週間にわたって開かれることが分かった。

 町はチミーノ山麓(さんろく)の丘の上にあった。周辺の丘陵地帯はイタリア有数の栗の産地とのことで、町に向かう道路の脇には栗のイガが、あちこちに転がっている。中でも大粒の「マローネ」と呼ばれている種類は、マロングラッセに使われる高級品だという。

 8千人ほどが住む町の中心にあ…

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