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 その名が示す通り荒涼たる大地が広がる中国黒竜江省の北大荒。24歳だった李建国さんは、バスの車掌をしていた3歳年下の女性に一目ぼれした。

 時は文化大革命のさなかの1973年。都市の若者を農村に送る下放政策のもと、多くの大学生らが畑仕事をした。画家を志し、北京の中央美術学院付属高校を卒業した李さんも69年、この地にやって来た。慣れない農具を手に大地を耕す。農地が凍る冬は共産党の宣伝用の絵を描く仕事が割り当てられた。

 広大な農場を移動用のバスが走っていた。青年たちの間で「美人車掌」とうわさだったのが、上海から来た呉蓉蓉さん。大きな瞳を輝かせながら車内を闊歩(かっぽ)している。李さんは恋に落ちた。

 猛アタックが始まった。月給が…

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