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 台風19号は、首都圏にも暴風雨をもたらし、大混乱を招いた。それでも、河川の氾濫(はんらん)を防ぐために整備された治水施設がフル稼働し、大量の水を迂回(うかい)させるなどした。いつもは目につきにくいこれらの施設。どこにあり、どのような働きをしたのか。

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)で日本が決勝トーナメント進出を決めた舞台となり、準決勝、決勝も開催される横浜国際総合競技場(横浜市港北区)は、国が管理する多目的遊水地の上に立っている。遊水地は12~13日、台風19号で水位の上がった鶴見川の氾濫防止に一役買った。

 競技場は、1千本以上の柱に支えられた人工基盤の上に立つ「高床式」で、その下はふだん駐車場として使われる。川の水位が上がると水は遊水地へ流れ、駐車場など一帯は浸水する。

 京浜河川事務所によると、台風19号による豪雨で川の水位が上がり、遊水地への水の流入は12日午前8時50分から13日午前0時10分まで続いた。貯留量は上限の390万立方メートルに対し、約4分の1の93万6千立方メートルだった。

 横浜市などによると、競技場では台風19号に備えて駐車場の精算機や自動販売機を事前に撤去。駐車場の浸水は一時80センチに達し、13日午前1時20分ごろ、水門を開いて排水開始。朝には駐車場の水が引いたため最低限の清掃・消毒をし、ラグビーの日本対スコットランド戦で大会関係者の利用を認めたという。とはいえ、遊水地にある歩道、芝生など一帯には薄く土砂が積もった。放水による清掃が必要で、元通りになるにはあと1週間ほどかかるという。

 13日朝、水が残る様子を撮影していた横浜市緑区の小倉勉さん(54)は「以前も大雨が降った際、水がたまるのを見た。おかげで鶴見川が氾濫しないのはありがたいです」と話した。(吉野慶祐、林知聡)

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