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 記録的な大雨をもたらした台風19号で、住宅への浸水被害が17都県で計4万棟近くにのぼることが17日、朝日新聞の集計でわかった。昨年の西日本豪雨を1万棟以上、上回っている。国土交通省のまとめでは河川の堤防決壊も100カ所を超え、深刻な被害が改めて浮き彫りとなった。17日午後以降は各地で降雨も予想され、再び災害が発生する恐れもある。

 台風19号による死者は、17日朝までの朝日新聞の集計で、12都県で計78人。15人が行方不明で、捜索が続く。福島や長野、宮城など12都県では、4198人が避難生活を余儀なくされている。

 都県別の死者数は、福島28人▽宮城16人▽神奈川14人▽栃木・群馬各4人▽長野3人▽岩手・茨城・埼玉各2人▽千葉・東京・静岡各1人。行方不明者は、宮城5人▽神奈川・長野各3人▽福島2人▽茨城・静岡各1人。

 各地で浸水が解消しつつあり、千曲川が決壊した長野県や、氾濫(はんらん)した那珂川が流れる栃木県では17日朝までに広範囲の住宅被害が新たに確認された。床上・床下浸水は長野県で計8874棟、栃木県で1万8082棟。東日本全体では床上浸水が15都県2万3405棟、床下浸水は17都県1万5888棟で、計3万9293棟となった。

 総務省消防庁によると(今年4月1日時点)、14府県で275人が亡くなった昨年の西日本豪雨では床上浸水6982棟、床下浸水2万1600棟で、計2万8582棟だった。

 堤防が決壊した河川は、17日午前5時までの国土交通省のまとめで、7県で計64河川111カ所にのぼっている。16日昼時点では59河川90カ所だったが、浸水で現場に入れなかった福島県の阿武隈川水系などで調査が進んだ。

 国管理の25河川、都道府県管理の233河川でも堤防を水が越えるなどして浸水した。土石流やがけ崩れなどの土砂災害も埼玉や神奈川、岩手など20都県の241カ所となった。

 ライフラインの復旧も途上にある。厚生労働省によると、17日午前4時現在、少なくとも13都県の10万5589戸で断水。経済産業省によると16日午後2時現在、長野県の約5220戸など、計8県の約8550戸で停電が続いている。

 また、文部科学省の17日午前5時現在のまとめで、東日本を中心に23都府県の小中高校や大学など計1592校(小学校606校、中学校350校、高校398校など)で、校舎やグラウンドへの浸水、窓ガラスや屋根の破損などの被害が出ている。

 一方、気象庁によると、気圧の谷や前線などの影響で、関東では17日午後から、18~19日は東日本と東北の広い範囲で雨となる見込みだ。台風19号の影響で、地盤が緩んでいる地域が多く、少しの雨でも洪水や土砂災害の危険があるとして、気象庁は警戒を呼びかけている。