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 フランスの現代美術家、クリスチャン・ボルタンスキーさんの回顧展が18日、県美術館で開幕する。17日の式典にはボルタンスキーさんが登壇。長崎港を一望できる回廊の窓を生かして展示を構成したと語り、「長崎の生活、生命が私の作品に入ってくるようにと考えた」と話した。県美術館と朝日新聞社の主催で、来年1月5日まで。

 ボルタンスキーさんは1944年、パリ生まれ。60年代後半に制作を始め、記憶や歴史、生と死をテーマに作品を発表している。回顧展は東京、大阪に続き3会場目で、初期の作品から最新作まで41点が並ぶ。自身の心臓音、黒い服を積み上げた山、新聞の死亡告知欄の写真にランプで光を当てた作品などさまざまだ。

 父親からユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)の話を聞いたことが制作につながっている。被爆地・長崎での展示には鎮魂の意味も込めたといい、取材に対し「街を散歩し、行き交う人たちを眺めながら死について考えた。老若男女、誰も容赦してくれない、それが原爆だ」と語った。(榎本瑞希)