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 3年半前、親友は脳腫瘍(しゅよう)で16歳で旅立った。彼は4歳から独学で作曲し、500曲を遺し、闘病中にCDもつくった。「病気の子も、健康な子も、自分の好きなことを見つけるきっかけになればうれしい」。存命なら20歳を迎えていた今月21日、見守り続けた同級生らが彼の曲をコンサートで奏でた。

 加藤旭君は中高一貫の男子校の同級生だった。同じバドミントン部。旭君はこんな子だった。

 4歳で独学で作曲を始めた。きれいな景色を見たときや、心ひかれる音楽を聴いた時に、頭の中に自然に音が鳴る。それをただ書き留める。「勉強でも、仕事でもなく、虫取りのようなもの」と彼は言っていた。10歳までに約480曲もつくった。

 病気になって誰かの役に立ちたいとCDをつくるまで、同級生は誰も旭君が作曲しているなんて知らなかった。

 控えめで優しかった。ブラスバンド部の親友の演奏は、観客席から拍手を送るのではなく、誰もいないところで静かにじっくり耳を傾ける。そして、あとからそっと感想を伝える。そんな風だった。

 「旭が、脳腫瘍(しゅよう)なんて。信じられないよ」

 2013年、当時中学2年だった中村耀三さん(19)は、母親から旭君の病気を告げられた。旭君の母親の希さん(47)は告知された時、気を失ったという。中村さんは彼と家族を思い、胸が痛くなった。

 旭君はすぐに手術を受けた。自宅で療養して10日後に学校に戻ってきた。部活にも参加した。ただ、慢性的なだるさや腰の痛みで練習は諦め、応援に回った。つらそうなそぶりは一切見せなかった。

 だが、中3の夏休みの直後に転移が見つかった。

 「学校に行けたら、他は何も望…

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