【動画】日本の標高の基準を示す「水準原点」。明治期に旧日本軍が設置した=上田真由美撮影
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 旧日本軍の参謀本部が明治期に正確な地図をつくるために設置した日本の標高の原点、「水準原点」(東京都千代田区)が国の重要文化財になる。富士山の高さもここから測ったという原点は、いまも現役。ふだんは閉じられている扉の奥をのぞかせてもらうと、設置の時代背景も刻まれていた。

 国会議事堂前、憲政記念館の庭園に、4メートル四方ほどの石造りの建物がある。三角の屋根に丸い柱があり、小さなギリシャ神殿のよう。なかに収めた大事な目盛りを風雨から守る建物で、「日本近代建築の父」ジョサイア・コンドルの一番弟子・佐立七次郎が設計したものだ。

 屋根付近に旧字体で「大日本帝国」、その下には「水準原点」とある。中心にある金属製の扉には菊の紋章。管理する国土地理院の職員が鍵を開けて扉を引くと、縦長の白い板が現れた。灰色の正方形の石にはめ込まれている。

 「甲州産の水晶です。台石は花崗岩(かこうがん)で、硬くて丈夫。温度変化にも強い素材でつくられました」と、国土地理院の岩田昭雄(まさお)・測地基準課長。

 水晶板には少しかすれた物差しのような赤い目盛りと、逆立ちした数字が並んでいる。高さを読みとる「水準儀」のレンズを通すと逆転して見えるためだそうだ。

 日本で近代的な測量が始まった…

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